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かという議論と同様のものであるが、それは、容易なものにみえて、実はそれほど容易に答えられるものではない。
なぜなら、この問題に対する答えは、当然のことながら、「課税管轄権」の理解のしかた如何によって異なったものとなってくると思われるからである。以下では、問題を単純なものとするために、「課税管轄権」を、国際法における国家の主権の具体的な発現形態としてとらえ、検討することとする。
初めに、何よりも強調すべきは、日本国憲法の下における地方団体が国際法における国家でない以上、それに対して国家に対すると同じ意味の主権・課税管轄権も与えられないであろう(連邦の支分国に対してさえ、一般的に、国際法の主体性が認められていない点に留意)という点である。すると、地方団体の「課税管轄権」という言い方は適切なものではないということになるのかもしれない。したがって、以下において、地方団体の「課税権」という語は、国家の課税管轄権とは質的に異なるものとして用いることとする。
さて、地方団体に対して、国際法における国家の課税管轄権と類似のものが認められているか否かという点に関しては、理念的に、次の三つの考え方を観念することが可能であると思われる。
? 否定説
地方団体には、国家主権と同様の主権は与えられておらず、したがって、独立の課税管轄権も与えられていない。地方団体の「課税権」(これは、国家の「課税管轄権」とはまったく別物である)は、地方税法という法律により与えられる。
? 憲法根拠説
地方団体には、憲法により、国家主権と(同様ではないにせよ)類似の(国家主権から派生する)主権的権限が与えられており、その結果として、(国家の課税管轄権から派生する)課税管轄権的権利が与えられている。この場合の地方団体の課税権(ここにおいては、課税管轄権的な権利)は、憲法により与えられ、地方税法により確認的に定められている。しかし、この権利は、国際法上のものではない。なお、地方団体の執行管轄権の方は、属地的な制限を受けず、国内においては無制限となっているが、この点は、地方団体の課税権が国家の課税管轄権から派生していることを裏付けているといえよう。
? 本源説
国家主権は、(理念的には国際法により国家に対して与えられたものと考えられるにせよ)本源的なものである。地方団体が国家以前の存在であるとすれば、地方団体に対しても、主権・課税管轄権に準じた独自の権利が認められると考えることが可能かもしれない。この場合の地方団体の課税権は、本源的なものであり、国家により(憲法により)認められて初めて与えられるものではない。もっとも、この権利も、国際法上のものとはいえないであろう。ただ、この権利は、憲法によっても奪えないもの、あるいは、少なくとも憲法で明確に定めない限り奪えないものではある。したがって、この権利は、アメリカ合衆国の州の権限と似ているといえよう。
3 地方団体は、完全なる課税権を有する課税権者か?
この問題は、結局、地方団体の課税権に関する上の三つの考え方のうち、どれを採用するかという問題である。
日本がアメリカやドイツのように連邦であれば、課税権の問題ももっと容易であり、?の考え方が妥当であるということになろう(ただし、この場合であっても、アメリカの州の課税権が連邦憲法の通商条項等により制限されているように、地方団体の課税権が、憲法により制限されることはありうる点に留意)。しかし、通常の考え方に従えば、日本は、連邦ではない。
そこで議論すべきは、?の考え方と?の考え方のいずれが妥当であるかという点である
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